テレビコマーシャルやインターネットの広告などで盛んに宣伝されているように、薄毛は病院でも診てもらえるようになっています。
これは、今から10年以上前の2005年に、プロペシアという治療薬が厚生労働省に承認されて以降に本格的にスタートしています。
ちなみに、この治療薬は内服薬ということで、「飲む育毛剤」とも呼ばれています。

ただし、プロペシアは元々は前立腺肥大を改善するために開発された成分の1mg錠で、髪の毛に対して直接作用するわけではありません。
具体的には、II型5α-reductaseという還元酵素の活性を阻害することにより、DHTの生産を抑制するという内容です。
このDHTは、悪玉男性ホルモンとも呼ばれている物質で、前立腺肥大や脱毛症を発症させる根本的な原因です。
ちなみに、DHTが原因で発症する脱毛症のことは、男性ホルモン型脱毛症という意味のAGAと呼ばれています。

AGAは、男性の薄毛の大部分を占めている症状で、生え際から頭頂部にかけての部分が軟毛化するのが特徴で、M字ハゲやO字ハゲなどと呼ばれているものが典型的な形態です。
男性ホルモンの分泌量が急激に増加する思春期以降に徐々に進行し、20歳代の後半から30歳代の前半にかけての頃に著明となるのが一般的です。
そして、40歳代以降には生え際が後退して頭頂部までの髪の毛が完全になくなる最終形態にまで進行します。

なお、AGAは治療の対象にはされていますが、基本的には生理的な現象に過ぎず病気ではありません。
このために、自然治癒力により治るということはないので、放置しておくと間違いなく進行してしまいます。
健康に対して直接的な影響はありませんが、見た目は大きく変わってしまうので周囲からの評価はシビアなものになりがちです。

プロペシアのこの症状に対しての効果は、厚生労働省が承認する際に1年間かけて行った臨床試験により確認されています。
具体的には、1日1mg投与したところ被験者の58%に軽度改善以上、98%に不変以上の効果があったことが、医師による頭頂部の写真評価により確かめられています。

ミノキシジルは抜け毛予防には最高の薬

AGAに対しての有効性が医学的に認められているために、プロペシアは世界60ヵ国以上の国や地域で使用されています。
特に、AGAが発症して間もない状態で使用した場合には効果的で、薄毛を改善したというケースも報告されています。
しかし、AGAが発症してから年月が経過しているような場合は、プロペシアを服用しても髪の毛に変化は見られないということも起こり得ます。

これは、厚生労働省の臨床試験で不変以上の効果が98%に見られたのに対して、軽度改善以上の効果が確認されたのが58%にまで低下してしまうことでも証明しています。
つまり、プロペシア単体ではAGAの進行予防の効果がせいぜいで、進行した薄毛を元の状態にまで回復させるのは難しいということです。
ただし、だからといって進行したAGAを回復させる手立てがないわけではありません。

それでは、その具体的な方法は何かというと、ミノキシジルという成分が配合された外用薬を併用するということです。
この成分は、血管拡張作用により毛母細胞の細胞分裂を活性化するというもので、強力な発毛効果を発揮します。
このために、ミノキシジルとプロペシアを併用することにより、抜け毛予防と発毛効果を同時に実現できるので、単なる進行予防ではなくスピード上昇による顕著な回復を期待できます。

なお、国内で販売されているミノキシジル配合の外用薬は、育毛剤よりもワンランク上の発毛剤に分類されています。
さらに、第一類医薬品に指定されており、効能・効果は、壮年性脱毛症における発毛、育毛および抜け毛の進行予防です。

ちなみに、この壮年性脱毛症とは成人以降のAGAのことですが、プロペシアとは作用機序が異なるので、併用しても問題はありません。
それどころか、ミノキシジルの血管拡張作用と毛母細胞の細胞分裂の活性化による発毛促進、プロペシアによるDHTの抑制による軟毛化の進行の防止という異なる効果を得られるので、単体でそれぞれを使用するよりも薄毛改善のスピード上昇を実現させます。